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武庫川渓谷・廃線敷ハイキング

 兵庫県南東部を流れる武庫川は、渓谷美を楽しめるレジャースポットとして知られている。かつて武庫川沿いを機関車が走り、現在は廃線となった旧福知山線。今では急流や巨岩、当時の鉄道遺構を見学できるとあって、大勢のハイカーや鉄道ファンが訪れる人気スポットだ。

 JR旧福知山線は、1986年の電化・複線化にともない廃線となった。武庫川の渓谷沿いに続く約4.7kmの廃線敷はJR西日本の私有地であり、長らく立ち入り禁止であった。

 しかし、武庫川渓谷の自然や廃線の情緒を楽しめるとあり、多くのハイカーが訪れ、そのことは黙認されていたようだ。2016年には自己責任を原則としたハイキングコースとして開放され、現在に至る。

▲情緒ある遺構

 廃線敷コースは平坦で、ゆっくり歩いても3時間程度の道のりだ。その間には6つのトンネルと3つの橋梁が残されており、岩山や武庫川の急流など見所が多い。

武庫川渓谷・廃線敷ハイキング

 JR生瀬駅を出発し、国道176号線を進む。木ノ元バス停前の信号を右折すると廃線敷の入り口だ。V字に切り込んだ渓谷を入り口付近から奥に望める。この先が武庫川渓谷だ。すぐそばで聞こえる川のせせらぎが涼しい。

 名塩川橋梁を通過すると渓谷が姿を現した。都市のすぐそばにこんな渓谷が広がっているなんて、ああ、なんて綺麗なんだろう。線路の枕木がそのまま残るハイキング道は雰囲気たっぷりで、冒険気分を盛り上げてくれる。この日は夏日を記録して大変暑かったが、渓谷沿いは木々の日陰が多く、また水の流れが目と耳に涼を感じさせて心地よい。

▲カメラの感度を上げて撮影した。実際には真っ暗闇だ

 北山第一トンネルに到着。いよいよトンネル内の散策である。トンネルの中は真っ暗で、入り口から10mも進むと視界がまったく利かない。ライトを準備して慎重に進んでいこう。

 北山第一トンネル、北山第二トンネルを通過すると、コースの目玉「第二武庫川橋梁」のお目見えだ。

 赤く染まったトラス構造の橋梁は迫力満点だ。橋の両側は自然に囲まれ、谷を吹く風が気持ちいい。この日も数名のハイカーがここを訪れ、記念撮影をしたり、橋の上から渓谷を眺めたりしていた。

 第二武庫川橋梁の先、長尾山第一トンネルを抜けると展望ポイントがある。ベンチが設置され、ここからの景色を眺めながらの昼食は最高だった。

 展望ポイントの先にある親水広場は、廃線敷ハイキングコースで唯一、河原に下りられる場所だ。ぜひ立ち寄ってみよう。広場にはベンチやテーブルも設置され、休憩にも最適である。

 長尾山第二、第三トンネルを抜けると、温泉橋と水道橋が見えてくる。ゴールはもうすぐだ。

 武田尾温泉への入り口を通過し、JR武田尾駅へと向かう。駅前では見頃を迎えたツツジが出迎えてくれた。

 JR生瀬駅を出発し、休憩しながらのんびりと歩いても約3時間でJR武田尾駅に到着できた。トンネル内に照明はないものの、コースは平坦で危険な場所もなく、初心者やファミリーでのハイキングにも最適だろう。今回訪れたのは新緑の季節だったが、桜や紅葉の時期もきっと素晴らしいことだろう。四季を通じて歩きたい、お手軽ハイキングコースである。

武庫川渓谷・廃線敷ハイキングのデータ

Download file: mukogawa.gpx
  • 距離:約7km
  • コースタイム:約2時間50分
  • コース:
  • アクセス:行き・JR福知山線「生瀬駅」下車 徒歩約15分|帰り・JR福知山線「武田尾」

トンネル内は暗闇! 必ずライトの用意を

 遊歩道はよく整備されているが、トンネル内には照明器具が設置されていない。中は真っ暗。1m先の視界もままならないため、ヘッドライトや懐中電灯が必携である。真夏でもトンネル内は冷んやりとしているため、防寒着があれば安心だ。

※この記事の情報は、2020年執筆時点のものです。

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