箕面の山ハイキング|こもれびの森から箕面大滝へ
滝と紅葉の名所として知られる箕面の山は、大都市近郊ながら豊かな自然に恵まれている。中でも阪急箕面駅から箕面大滝へと続く「滝道」は、緑の散策スポットとして人気だ。秋は紅葉、夏は納涼と、四季を通して多くの人が訪れる。
滝道を往復するだけでも、森の爽やかな風がすっと心を吹き抜ける。が、少し足を伸ばして、ハイキングコースを歩いてみてはいかがだろう。箕面の山は「明治の森箕面国定公園」に指定され、ハイキングコースが整備されているのだ。
緑豊かな箕面の山
明治の森箕面国定公園は、1967(昭和42)年に「明治百年」を記念して、東京都の高尾山とともに国定公園に指定された。総面積963ha、箕面市北部の低山岳地帯に位置する。大都市近郊ながら1,100種の植物と3,000種の昆虫が生息する、自然の宝庫であるのだ。
こもれびの森

箕面駅を出発し、土産屋が並ぶ滝道をゆく。箕面川のせせらぎを聞きながら、お茶屋、昆虫館を過ぎ、紅葉橋から入山する。


橋を渡ると、すぐに急な階段が続く。登り切ると「望海丘展望台」があり、この日は薄曇りだったが、晴れていれば遠く大阪湾まで見渡せる。標高わずか230mほどの展望台だが、身近な里山からも気持ちのよい展望を楽しめるのだ。


雨上がりの、土と緑の香りが漂う尾根道を「こもれび展望所」へと歩く。山道からいったん車道へ。といっても、ここは森の管理道であり、一般車両は通行できないからのびのびと歩ける。
車道をしばらくゆくと、才ヶ原池の分岐B11に出合う。こもれび展望所には車道をさらに北に進んでも行けるが、せっかくのハイキングだ。分岐を極楽谷へと進み、森へ入る。

極楽谷の水量はそう多くはない。が、いつ訪れてもしっとりと潤っており、鮮やかな森の緑が飛び込んでくる。ぬかるんだ地面にはシカの足跡——標識には昨年のセミの抜け殻が残っている——森の、豊かさを感じる。それでいて、他のハイカーとあまり出合うことのない静かな場所だ。


極楽谷を進み、尾根に登るとヒノキの森が広がる。そのまま尾根をたどるとこもれび展望所に到着だ。東屋があり、天上ヶ岳や箕面川ダムを望める。頭上から降り注ぐのは野鳥のさえずりだ。


いったん分岐B24まで戻り、雲隣展望台へ。シカよけゲートをくぐり、斜面を進む。道の脇にはヤマザクラが植林され、今はまだ小さいが、成長すると満開の花びらを見せてくれるのだろう。

雲隣展望台から箕面大滝を目指す。階段の尾根道を下り、トンネルから坂を下ると箕面大滝だ。


落差33mの大滝は、日本の滝100選に選ばれた。農具の蓑(わらなどで編まれたマントのような雨具)に似ていることから、そう名付けられたのだ。滝の前には広場や茶屋があり、いつも観光客——と、ときどきニホンザル——でにぎわっている。

このまま滝道を箕面駅まで歩いてもよいが、唐人戻岩の手前から、箕面川の左岸の、ハイキング道を歩ける。姫岩やライオン岩などのちょっとしたスポットもあるから、こちらもおすすめだ。
再び滝道へ合流し、ゴールの阪急箕面駅へ。約4時間で歩ける、お手軽ハイキングコースだ。
箕面の山ハイキングのデータ
- 標高:約370m(こもれび展望所)
- 距離:約8km
- コースタイム:約4時間
- コース:箕面駅→紅葉橋→望海丘展望台→極楽谷→こもれび展望所→雲隣展望台→箕面大滝→箕面駅
- アクセス:阪急電車「箕面駅」下車→徒歩すぐ滝道へ
こもれびの森の周辺は、案内板や標識、展望所などが整っている。しかし、初めて歩く人は念のため地図を用意しておこう。公式マップは「みのお山なみネット」からダウンロードできる。