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ジェットボイルの魅力は高速湯沸かし、低燃費、オールインワンの3点に尽きる

 ”小さな火力に、最大限の仕事をさせる“こと。

 ジェットボイルは、それまでの重たい無骨なバーナーにうんざりしていた創設者が開発した、オールインワン設計のバーナーだ。一般的なガスバーナーと比べて格段に高い熱効率を誇る。これはクッカー底部に備えられたフラックスリングがバーナーの熱を伝え、熱損失を最小限に抑えてくれるからだ。フラックスリングは”高速湯沸かし器”の異名をとるほどの沸騰スピードと、低燃費を実現させたのだ。

ジェットボイル

 公式では500mlのお湯を2分15秒で沸かせるとある。が、この数字は環境のよい無風状態での計測だろうから、実際にはもっと時間がかかるだろう……。と思ったら、本当に2分少々でお湯が沸いてしまった。これまで大雨の中や低温下、強風下など多様な環境でジェットボイルを使ってきたが、その性能は安定しており、環境の差異による湯沸かしスピードに大差はなかった。

 2泊3日の山行にガスバーナーを選ぶ場合、悩ましいのが予備のガス缶だ。新品の250缶ひとつあれば足りるだろうが、万が一ということもあるし、もうひと缶、携帯しておくか。しかし荷物が増えるしなぁ……。

 こんなジレンマをジェットボイルはスマートに解決してくれる。燃費のよさは特筆物で、小型のガス缶「ジェットパワー100G」ひとつで約12Lのお湯を沸かせるのだ。仮に1食につき500mlのお湯を沸かすとしよう。すると24回分、1日3食として8日分のお湯をまかなえる。つまり1週間の山行なら予備のガス缶は必要なしだ。そして必要なものを本体にすべて収納できる。

ジェットボイル
クッカー底部のフラックスリングが熱効率を飛躍的に向上させてくれる

 収納した状態は円柱形だから、ひっかかりもなくパッキングも容易だ。一般的なガスバーナーは、バーナー本体の他にクッカーや風防が必要で、それぞれに相性があるから、パッキングと使い勝手を考え悩まなければならない。シンデレラフィットを求めてあれこれ試すのもそれはそれで楽しい作業なのだが、ガス缶がうまく収納できなかったり、バーナー本体がクッカーからはみだしたりして、面倒なこともある。ジェットボイルひとつ持ち出せばいい。このシンプルさが魅力である。

 ジェットボイルは、料理はできるのか。

 ジェットボイルに関心を示す人なら気になるところだ。はい、できますと答えておこう。ただし条件があり、それはスープ状のものに限られることだ。焼き物や炒め物はできないが、鍋はもちろんリゾットやラーメン、パスタ、煮込み料理などは問題なく調理できる。このあたりはサーモレギュレーターの恩恵も大きい。

 通常、ガスバーナーは液体ガスが気化しにくい寒冷地に弱いが、サーモレギュレーター搭載モデルは低温環境でも安定した火力を得られる。しかもサーモレギュレーターはとろ火から強火まで細やかな火力調整を可能にした。公式にはマイナス0.6℃まで対応とあり、実際に気温0℃の環境で使用したことがあるが、火力にはまったく問題がなかった。

ジェットボイル
ジェットボイル
ジェットボイル

 ジェットボイル・ミニモを購入した当初の目的は、妻との屋久島山行で2人分の調理をまかなうことだった。もくろみどおり広口で調理向きのミニモは目的を十二分に達成してくれた。が、ミニモはソロ山行には少し大きい。そこで購入したのがスペアカップである。

 ジェットボイルには豊富なオプションパーツが用意されていることも見逃せない。僕はその中のひとつ「スペアカップ0.8L」を愛用している。ジェットボイルはクッカーとバーナーの口径が統一されているから、容量を簡単に変更できるのだ。他にもコーヒープレスや交換用コジーなどさまざまなオプションパーツが用意され、自分好みにカスタマイズできる。

 ジェットボイルを使い始めてかれこれ5年が経過したが、とくに傷んだ様子もなく、まだまだ現役で使えそうだ。最近購入したプリムス・2243バーナーとともに、大切に使っていきたい。