【2021年版】登山地図と使いたいコンパスおすすめ5選|失敗しない登山用コンパスの選び方

 地図とコンパスは登山の必需品である。

 スマートフォンやGPS機器の性能が向上してもこの基本は変わらない。ただコンパスは用途別にいくつか種類があり、どれを選ぶべきか迷う人も多いことだろう。

 そこでこの記事では、「どのコンパスを選べばいいか分からない」という人のために、登山に使いやすいコンパスをピックアップした。日本オリエンテーリング協会ナヴィゲーションスキル検定保有者が実際に使っている、おすすめのコンパスをご紹介したい。

サムコンパス2選

サムコンパス
写真左が「SUUNTO AIM-6」。右がオリエンテーリング界のレジェンド、村越真氏が開発した「Ra-shin」

 まずおすすめしたいのが、入門者に最適なサムコンパスだ。

 登山用のコンパスといえば「ベースプレートコンパス」が定番であり、僕は長らく、登山用のコンパスはベースプレートコンパス一択だと認識していた。しかし、オリエンテーリング大会への出場やナビゲーションスキル検定の合格を通じて、これまでの認識がくつがえされた。

サムコンパスの特徴

 非常にシンプルなサムコンパスは、磁針以外の装備はない。機能は北が分かること、この1点に特化している。初心者にありがちな、ナビゲーション中に「プレートの向き」や「回転リングの矢印の向き」に惑わされないことが最大のメリットだ。

 山中のナビゲーションでは、地図を整置しながら登山道の方向や地形の方向をコンパスで確認することで、現在地を把握したり進行方向を決めたりする。整置とは、コンパスの北(磁北)と地図の磁北線を合わせることで、ナビゲーションの基本である。もっとも大切なテクニックだから、「登山地図の読み方・使い方|地図とコンパスの基本【整置】を覚えよう」も確認しておこう。

 日本の登山道は地形がはっきりしており、ナビゲーションは整置で事足りる。そもそも整置に複雑なプレートや回転板の操作は必要なく、北が分かりさえすればよい。登山道をたどるだけなら、ベースプレートコンパスの、プレートの出番はほとんど無いといってよいぐらいだ。磁針のみに集中できるシンプルなサムコンパスを、読図とナビゲーションの基礎を学びたい人に強くおすすめしたい。

 ちなみに「SUUNTO AIM-6」は、オリエンテーリング競技用のコンパスである。

 Ra-shinと同じくサムコンパスでありながら、直進用のプレートや、回転式カプセルが装備されており、回転式カプセルは角度表示ではないAIMセクターによる位置確認を採用している。

 特筆すべきは磁針のスピードだ。

 競技用高速フォリオ磁針を搭載し、走りながら使用しても一瞬で北を指し、ピタッと止まる。ブレない。進路決定が一瞬でできる。

 通常の登山にはオーバースペックかもしれないが、この磁針の動きは本当に気持ちがいい。こちらも検討してみよう。「Ra-shin」はO-Ajariで扱っている。

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ベースプレートコンパス2選

ベースプレートコンパス
シルバと並ぶ定番コンパス「SUUNTO A-30」

 登山用コンパスの定番といえば「シルバコンパス」だろう。シルバはスウェーデンのメーカーで、1933年に液体封入型コンパスを発明した。それ以来、世界中のアウトドア愛好家やオリエンテーリング選手、さらに軍隊や、測量士からも愛用されている。

 「シルバNo.3」は、地図とコンパスを使ったナビゲーションや、山座同定などの方位角測定など、山岳レジャーに必要な機能がそろっている万能コンパスだ。「SUUNTO A-30」もシルバと同じく汎用性の高いコンパスである。

ベースプレートコンパスの特徴

 ベースプレートコンパスを選ぶ最大のメリットは、コンパス直進の精度が高いこと。ベースプレートで地図上の現在地と目的地を結び、回転リングに方角を記憶させることで、高い精度で直進ができるのだ。

 サムコンパスはシンプルで使い勝手がいい。しかし雪山登山やバリエーションルート登山、薮山登山など、道が無い、または不明瞭な場所を進むには、やはりベースプレートと回転板による角度メモリー機能が欠かせない。ベースプレートを使いこなすことにより、道なき道でも正確なナビゲーションができるのだ。

 注意したいのは、プレートコンパスは基本的に操作に両手が必要であることと、慣れないと回転板やプレートの向きに注意をそがれ、磁針に集中できないことだ。

 登山を趣味として長く続けたい人や、山座同定(遠くに見える山の名前を同定すること)、クロスベアリング(現在地把握の方法)、コンパス直進などをゆくゆくは覚えたい、そんな人におすすめである。

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番外編:ミラーコンパス

ミラーコンパス

 最後に紹介するコンパスは少し特殊で、一般登山道を歩くハイカーには必要ないかもしれない。しかしアマゾンを眺めながらついうっかり注文してしまったのだから仕方がない。せっかくだから、参考程度にご紹介しよう。

SUUNTO MC-2

 「SUUNTO MC-2」は、ミラーや傾斜計を装備した多機能コンパスである。方位角計測やコンパス直進を多用する人におすすめで、高度なナビゲーション技術が必要なルートに挑戦する、上級者向けのコンパスである。

 ミラーコンパスの最大の特徴は、方位角を正確に読み取れることだ。先に紹介したシルバNo.3でも方位角は読み取れるが、誤差が大きい。その点ミラーコンパスは照準器が備えられ、目標物をとらえながら目線を動かさずにミラーで方位を確認でき、より正確に測定できる。山座同定や、目標物から現在地を把握するクロスベアリングなど、高い精度が求められる場面に活躍するだろう。

 以上が、僕が愛用しているおすすめのコンパスだ。紹介した中からコンパスを選べば、まず間違いない。

 ただしコンパスや地図は持っているだけで遭難を防いでくれるお守りのような機能はないし、ましてや道に迷ってから取り出しても手遅れである。登山やトレイルランニングなど、山に出かける人は日頃からコンパスを活用し、ぜひ使い方を覚えてほしい。

自然愛好家。大阪府山岳連盟・大阪青雲会に所属し、週末には関西近郊の里山にふらりと出かけていく。日本オリエンテーリング協会ナヴィゲーションスキル検定・シルバーレベル取得。フルマラソンベスト3時間29分。